クラシック音楽専門通販ショップ「アリアCD」代表の松本大輔さんに公演プログラムの聴きどころをお聞きしました!
ドホナーニ・エルネー(1877年 - 1960年)、ヴェイネル・レオー(1885年 - 1960年)はともにハンガリー人の作曲家。20世紀前半に活躍した作曲家ですが、その作品はとてもロマンティックで気品があり、ブラームスや、ときにはベートーヴェンを思わせます。今回の2曲は普段あまり接する機会のない作品ですが、どちらも熱い感動を与えてくれるなかなかの傑作です。
ベートーヴェンの「セレナード」は、サロン向けの、かなり娯楽的要素の強い作品。発表後何度も再販され、多くの編曲バージョンも生まれ、ウィーンはもとより、ロンドンやパリでも大人気になったそうです。ベートーヴェンの若い時の作品ですが、ベートーヴェンはこのあとピアノ・ソナタ第8番「悲愴」や弦楽四重奏曲第1番など音楽史を塗り替える傑作を生みだしていくわけで、この「セレナード」は、青年ベートーヴェンの才能の息吹を感じさせる若々しい傑作なんです。知らないままで終わるのはもったいない、若きベートーヴェンの隠れた名品。一度は生演奏で聴いてみたいところです。
松本大輔