東洋の伝統楽器「笙」を国際的に広めた第一人者。国立音楽大学ピアノ科卒業後、雅楽を学ぶ。古典雅楽はもとより、武満徹、J.ケージ、H.ラッヘンマン、細川俊夫など現代作品の初演も数多く、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ、デュトワ指揮N響、プレヴィン指揮ニューヨーク・フィル、アシュケナージ指揮チェコ・フィル、大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管、ノット指揮バンベルク響、準・メルクル指揮リヨン国立管、リープライヒ指揮ミュンヘン室内管、佐渡裕指揮ベルリン・ドイツ響、BBC響、WDRケルン放送響ほか国内外のトップオーケストラと数多く共演。加えて、ザルツブルク、ウィーン・モデルン、ルツェルン、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、パリの秋、アヴィニヨン、ダルムシュタット、ドナウエッシンゲン、タングルウッドをはじめとする各国の音楽祭への参加、ウィーン、パリ、アムステルダム、ミラノ、ニューヨークなどでのリサイタルと幅広く活躍。
98年の長野オリンピック開会式で「君が代」演奏の模様は全世界からの注目を集めた。
芸術選奨文部大臣新人賞、エイボン女性年度賞「芸術賞」、中島健蔵賞、横浜文化賞奨励賞、日本伝統文化振興賞、佐治敬三賞、松尾芸能賞優秀賞、芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。18年度秋の褒章にて紫綬褒章受章。国立音楽大学招聘教授。
●中村仁美(篳篥)
東京藝術大学在学中より、篳篥、楽箏、左舞、古代歌謡等を芝祐靖氏、大窪永夫氏らに学ぶ。雅楽古典、現代作品の演奏、様々な和・洋楽器との共演、即興演奏まで幅広く演奏している。篳篥リサイタル“葦の風”で、篳篥独奏曲やアンサンブル曲を多数委嘱初演し、ソロ楽器としての篳篥の魅力を開拓。その成果をCD「ひちりき萬華鏡」「胡笳の声」(ALM)等に収録した。海外での演奏機会も多く、近年ではパリのジャポニスム2018公演、ニューヨークのジャパンソサエティ伶楽舎公演等に参加。コロンビア大学では毎年指導と演奏を行っている。「雅楽三昧中村さんち」など小ユニットでも活躍。2010年松尾芸能賞新人賞を受賞。伶楽舎メンバー。国立音楽大学非常勤講師。
●八木千暁(龍笛)
雅楽の横笛「龍笛」を 元宮内庁楽部楽長 上 近正(うえ きんせい)、元宮内庁楽師 日本芸術院会員芝 祐靖(しば すけやす)両氏に師事。芝祐靖 音楽監督の雅楽グループ「伶楽舎」(れいがくしゃ)に所属し、古典雅楽、廃絶曲の復曲、正倉院楽器の復元演奏、現代作曲家への委嘱作品など、幅広い演奏活動に取り組んでいる。五嶋みどり主宰「MUSIC SHARING」の一員として(’06~)全国の小学校、支援学校等で雅楽のレクチャーコンサートをおこなっている。